毎年恒例、ペット保険のアニコムから人気犬種ランキングが発表されました。昨年はどんな犬種が人気だったのでしょうか。
この記事では、『人気犬種ランキング2025』のトップ30を詳しく紹介し、それぞれの犬種に関する面白い豆知識もご紹介します。ぜひチェックしてみてください!
1位 MIX犬(体重10kg未満)

2025年に人気犬種第1位に輝いたのは、純血種同士を掛け合わせて生まれたMIX犬(ミックス犬)でした。
MIX犬は厳密には犬種として扱われないことが多く、他のランキングでは対象外となることもありますが、アニコム損保の調査ではランキング対象となっています。
2009年に5位にランクインして以来、徐々に順位を上げ、ついに1位を獲得しました。
人気の組み合わせとしては、マルチーズとトイプードルの「マルプー」、チワワとトイ・プードルの「チワプー」、チワワとミニチュア・ダックスフンドの「チワックス」などが挙げられます。
2位 トイ・プードル
僅差で2位となったのは、昨年まで15年連続で首位を獲得していたトイ・プードルです。
トイ・プードルは、抜け毛が少なく、豊富なカットスタイルを楽しめることで人気があります。
また、賢い犬種としても知られており、ブリティッシュコロンビア大学のスタンレー・コレン教授の研究によると、プードルはボーダーコリーに次ぐ2番目の賢さを持つ犬種とされています。
参考記事:https://www.akc.org/expert-advice/dog-breeds/smartest-dog-breeds/
3位 チワワ
3位にランクインしたのは、丸い頭と大きく潤んだ目が印象的なチワワです。
メキシコ原産の犬種で、その名前はメキシコのチワワ州に由来しています。
小さな体も特徴的で、2022年にギネス世界記録で「最も背の低い犬(shortest dog living)」として認定された犬もチワワです。
4位 柴(豆柴含む)
きりっとした凛々しい表情と、くるりと巻いたしっぽが特徴的な柴犬が4位にランクイン。
独立心が強い性格として知られていますが、「うちの子は甘えん坊」という飼い主さんも少なくありません。
現在の日本ではとても人気のある日本犬の柴犬ですが、明治初期にイギリスからポインターなどの犬種が輸入されると、それらとの交配が流行し、一時は純粋な柴犬がほとんど見られなくなってしまったのだとか。
その後、保護活動が進められ、1936年に柴犬が天然記念物に指定されたことで徐々に数を回復し、現在のような人気犬種として見事に復活を遂げました。
5位 ミニチュア・ダックスフンド
5位にランクインしたのは、短い脚が特徴的なミニチュア・ダックスフンド。
ドイツ原産の犬種で、もともとアナグマ狩りをしていた狩猟犬です。
名前はドイツ語でアナグマを意味する「ダックス(Dachs)」と犬を意味する「フント(Hund)」を組み合わせたものに由来します。
ダックスフンドの特徴的な短い脚はアナグマの巣穴に入りやすいように繁殖されてきたためだと言われています。
6位 ポメラニアン
6位は、モフモフの毛が愛らしいポメラニアンです。
ドイツ原産の犬種で、ポーランドとドイツにまたがるポメラニア地方にちなんで名付けられました。
ポメラニアンは、イギリスのヴィクトリア女王に深く愛されたことでも知られています。
もともとは30ポンド(約13.6kg)ほどの中型犬でしたが、現在の小型サイズに改良されたのはヴィクトリア女王の功績だと言われています。
7位 ミニチュア・シュナウザー
7位には、あごひげや眉毛が特徴的なミニチュア・シュナウザーがランクインしました。
ドイツ原産のこの犬種は、かつて農場でネズミ捕りとして活躍していました。
現在では、明るく活発な性格や抜け毛の少なさから、コンパニオン・ドッグとして多くの人に愛されています。
ちなみに「シュナウザー」と名の付く犬種には、ミニチュア・シュナウザーのほか、大型犬の「ジャイアント・シュナウザー」や中型犬の「スタンダード・シュナウザー」もいます。
8位 フレンチ・ブルドッグ
鼻ぺちゃな顔と大きな耳が特徴的なフレンチ・ブルドッグが第8位にランクインしました。フレブルという愛称でも親しまれてますね。
フレンチ・ブルドッグはブルドッグと似た容姿を持っていますが、耳の形に大きな違いがあります。
ブルドッグの耳は途中から折れ曲がり、後ろにねじれた「ローズイヤー」と呼ばれる形状。
一方、フレンチ・ブルドッグの耳はピンと直立し、こうもりの羽のように見える「バットイヤー」と呼ばれます。
フレンチ・ブルドッグはアメリカでも非常に人気があります。2022年には、それまで31年間人気犬種ランキング1位だったラブラドール・レトリーバーを抜き、フレンチ・ブルドッグがトップに輝いたことで大きな話題を呼びました。
参考記事:https://forbesjapan.com/articles/detail/61708
9位 マルチーズ
10位にランクインしたのは、柔らかく艶やかな「シルキーコート」が優雅なマルチーズ。中央地中海沿岸地域を発祥とする犬種です。
古くはヨーロッパの貴婦人たちに抱き犬として愛され、世界最古の愛玩犬と評されることも。
日本でも非常に人気が高く、1968年から17年連続で犬種登録件数でトップを記録していました。
10位 ヨークシャー・テリア
第9位には、「シルキーコート」と呼ばれる絹のような美しい被毛が特徴のヨークシャー・テリアがランクインしました。ヨーキーの愛称で親しまれていますね。
この犬種は、19世紀半ばにイギリスのヨークシャー地方で誕生したとされています。
ヨークシャー・テリアの被毛は「一生のうちに7回変化する」と言われていて、その時々でしか見られない独特の毛色を楽しめることも、この犬種ならではの魅力のひとつです。
11位 シー・ズー
愛嬌のある鼻ぺちゃ顔と大きな瞳が特徴のシー・ズーが11位にランクインしました。
チベットをルーツに持ちながら、中国で犬種として発展し、中国の皇室で特別に愛されていた犬種です。
シー・ズーが世界的に知られるようになったのは比較的遅く、1930年代まではほとんどその存在が知られていませんでした。
可愛らしい外見にもかかわらず、「シー・ズー」という名前は北京語で「小さなライオン(獅子)」を意味するそうです。
12位 カニーンヘン・ダックスフンド
12位は、ダックスフンドの中でも最も小さいカニーンヘン・ダックスフンド。
「カニーンヘン」はドイツ語で「ウサギ」を意味し、かつてはウサギ狩りの猟犬として活躍していた歴史があります。
ダックスフンドは、3つのサイズと3種類の毛質の組み合わせにより、合計9タイプに分類されます。
サイズは大きい方から「スタンダード」「ミニチュア」「カニーンヘン」の3種類、毛質は「スムース・ヘアー」「ワイアー・ヘアー」「ロング・ヘアー」の3タイプです。
13位 ゴールデン・レトリーバー
13位は、優しい顔立ちが印象的なゴールデン・レトリーバー。大型犬としては初のランクインです。
イギリス・スコットランド地方原産の犬種で、鳥猟の際に撃ち落とされた獲物を回収する役割を担う「レトリーバー」として活躍していました。
かつては「イエロー・レトリーバー」とも呼ばれていましたが、1920年に「ゴールデン・レトリーバー」という名称に統一された歴史があります。
14位 ビション・フリーゼ
プードルなどの祖先とされる「バルベ」という犬に似た外見をしていたことから、「バルビション」と名付けられました。
その後、名前が省略され、「ビション」と呼ばれるようになったと言われています。
近年では人気が高まっており、一昨年は19位、昨年は15位と、徐々に順位を上げています。今後どこまで上がるのか、楽しみですね。
15位 パグ
愛嬌たっぷりの鼻ぺちゃ顔で世界中から愛されるパグが、14位にランクインしました。
中国原産の犬種で、1500年代にオランダの貿易商によってヨーロッパに渡り、広く知られるようになりました。
特にオランダ王室で愛され、王の肖像画に描き込まれるほどの人気を誇っていたそうです。
「パグ」という名前には諸説ありますが、ラテン語で「拳」を意味する「pugnus」に由来する説が有名です。これは、パグの顔が握りしめた拳に似ていることに由来すると言われています。
16位 ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
短い脚で機敏に走り回る姿が魅力的なウェルシュ・コーギー・ペンブロークが16位にランクインです。
イギリス原産の犬種で、英国王室で長年にわたり愛されてきました。特にエリザベス2世はコーギー愛好家として知られています。
名前は原産地であるウェールズのペンブロークシャー地方に由来するとされ、似た容姿を持つ犬種のウェルシュ・コーギー・カーディガンも知られています。
17位 パピヨン
17位にランクインしたのは、飾り毛に覆われた大きな耳と、絹糸のように美しい毛並みが特徴のパピヨンです。フランスとベルギーを原産国としています。
「パピヨン」はフランス語で「蝶」を意味し、その名の通り、耳が蝶の羽のように見えることから名付けられました。別名「バタフライ・スパニエル」とも呼ばれているそうです。
垂れ耳のパピヨンは「蛾」を意味する「ファーレン(ファレーヌ)」と呼ばれます。海外にはパピヨンとファーレンを別犬種として分類する国もあります。
18位 ボーダー・コリー
高い運動能力で知られるボーダー・コリーが22位にランクインしました。映画『ベイブ』でその存在が一躍有名になった犬種です。
イギリス原産で、「ボーダー」という名前は「国境」や「境界」を意味しています。イングランドから見たスコットランドが辺境の地であったことから、「辺境の牧羊犬」という意味が込められているそうです。
また、ボーダー・コリーは知能の高さでも知られています。2018年にギネス世界記録の「1分間で犬が行ったトリックの最多回数(Most tricks performed by a dog in one minute)」のタイトルを獲得した犬もボーダー・コリーです。
19位 ジャック・ラッセル・テリア
19位は、小柄ながら非常に活発でパワフルな犬種、ジャック・ラッセル・テリアです。イギリス原産で、名前はこの犬種の作出に貢献したジョン・ラッセル牧師に由来しています。
ジャック・ラッセル・テリアの毛質には、短毛の「スムースコート」、長毛の「ラフコート」、短毛と長毛が混ざった「ブロークンコート」の3種類があります。
よく似た犬種にパーソン・ラッセル・テリアがいますが、この2つの犬種は体型に違いがあります。
パーソン・ラッセル・テリアは脚が長く正方形に近い体型をしているのに対し、ジャック・ラッセル・テリアは脚が短く長方形の体型をしています。
20位 ペキニーズ
鼻ぺちゃ顔とつぶらな瞳が愛らしいペキニーズが20位にランクインしました。
首周りに生えているライオンのたてがみのような豊かな毛が特徴的で、「獅子犬」や「ライオン・ドッグ」とも呼ばれることがあります。
中国原産のペキニーズは非常に古い歴史を持つ犬種で、ラマ教の教主ダライ・ラマが秦の始皇帝をはじめとする歴代の皇帝に贈ったと言われています。
ペキニーズが西洋で知られるようになったのは、1860年にイギリス軍がアヘン戦争で北京に侵攻した際のことです。
イギリスの兵士が置き去りにされていた西太后の愛犬のペキニーズを保護し、イギリスに持ち帰ったことで、ヨーロッパに初めて紹介されました。
21位 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
23位にランクインしたのは、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル。丸くて大きな目や垂れた耳、ゆるくウェーブがかった被毛が魅力的な犬種です。
この犬種はイギリス原産で、「キャバリア」という名前は中世の騎士(ナイト)を意味しています。
キャバリアには、先祖にあたるキング・チャールズ・スパニエルという似た容姿の犬種がいます。
キャバリアはキング・チャールズ・スパニエルより体がやや大きく、目と鼻の位置が離れており、マズル(鼻先)が長い点が異なります。
22位 イタリアン・グレーハウンド
21位は、スレンダーで華奢な体がスマートな印象を与えるイタリアン・グレーハウンドです。
この犬種の歴史は非常に古く、ローマ帝国が地中海を支配していた約2,000年前に、現在のギリシャやトルコ地域で高貴なペットとして飼育されていました。
イタリアン・グレーハウンドが広く知られるようになったのは、ルネサンス期のイタリアです。
この時期には多くの巨匠の絵画に描かれ、ヨーロッパの貴族たちの膝の上で愛される存在となりました。
23位 ラブラドール・レトリーバー
ラブラドール・レトリーバーが第18位にランクインしました。盲導犬など働く犬としても知られていますね。
イギリス原産の犬種ですが、その起源はカナダのニューファンドランド沿岸にあります。
世界的にとても人気がある犬種で、アメリカ、イギリス、カナダなどでは登録頭数が上位にランクインしています。
ラブラドール・レトリーバーの根元が太く先が細いしっぽは、「オッターテイル(カワウソの尾)」と呼ばれます。このしっぽは泳ぐときに舵の役割を果たし、方向転換の際に役立つそうです。
24位 ミニチュア・ピンシャー
25位にランクインしたのは、スラっとした体型がスタイリッシュなドイツ原産のミニチュア・ピンシャーです。
一見すると、小型化されたドーベルマンのように見られがちですが、これは誤りです。それよりも、中型犬のジャーマン・ピンシャーという犬種とよく似ていて、サイズ以外はほとんど同じなのだとか。
ミニチュア・ピンシャーは「ハクニー歩様」と呼ばれる、馬のように前脚を高く上げて歩く独特な歩き方をすることでも知られています。
25位 シェットランド・シープドッグ
24位にランクインしたのは、シェルティの愛称で親しまれるシェットランド・シープドッグ。豊かな長毛が優雅で、美しい印象を与える犬種です。
イギリスの最北端に位置するシェットランド諸島が原産地で、その地名が名前の由来となっています。
見た目が大型犬のラフ・コリーによく似ていますが、シェルティは小型~中型犬で体重は半分ほどです。
原産地であるシェットランド諸島の厳しく寒い気候では食料が乏しかったため、少量の食事で生活できる体の小さな犬種が重宝されたと言われています。
26位 シベリアンハスキー
オオカミのような精悍な容姿を持ちながら、穏やかでフレンドリーな性格というギャップが魅力的なシベリアン・ハスキーが、28位にランクインしました。
原産国については、ロシアとされることもありますが、ジャパンケネルクラブ(JKC)ではアメリカ原産とされています。
シベリアン・ハスキーが広く知られるようになったのは、1925年にアラスカ州ノームでジフテリアが大流行した際の出来事がきっかけです。
極寒のアラスカで血清を運ぶ手段がなかった時、ハスキーの犬ぞりチームがリレー形式で長距離輸送を行い、多くの人命を救ったとされています。
このニュースは当時、大々的に報道され、シベリアン・ハスキーは英雄視されるとともに、一躍有名な犬種となりました。
27位 スタンダード・プードル
プードルの中で最も大きい大型犬、スタンダード・プードルが30位にランクインしました。
プードルは、大きい順に「スタンダード」「ミディアム」「ミニチュア」「トイ」の4つのサイズに区分されます。
ただし、イギリスやアメリカのケネルクラブでは、スタンダード、ミニチュア、トイの3サイズのみ。
画像のような特徴的なカットは、もともと猟犬として水中作業を行う際に考案されたものです。
このカットは、動きやすさを確保しつつ、体の重要な部分を寒さから守る役割を果たしています。
28位 ボストン・テリア
鼻ぺちゃの顔と筋肉質でスリムな体型が特徴的なボストンテリアが26位にランクインしました。
アメリカ原産の犬種で、タキシードを着ているような毛色の配色や穏やかな性格から「アメリカの紳士」とも呼ばれています。
地元では誇りとされており、ボストン大学のマスコットキャラクターやマサチューセッツ州の「州の犬」にも選ばれています。
29位 ビーグル
27位には、大きな垂れ耳と丸い目が愛らしいビーグルがランクインしました。イギリス原産の犬種で、ハウンド(獣猟犬)の中で最も小さい犬種です。
犬種名の由来には諸説ありますが、一説ではケルト語の「Beag(小さい)」に由来すると言われています。
非常に優れた嗅覚を持ち、空港の探知犬としても活躍しています。
この鋭敏な嗅覚は、嗅覚が最も優れている犬種とされるブラッドハウンドの血が入っているからだと言われています。
30位 アメリカン・コッカー・スパニエル
29位にランクインしたのは、大きな目、長い垂れ耳、そして絹のように美しい被毛が特徴のアメリカン・コッカー・スパニエルです。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルがアメリカに渡った後、外見の違いなどからアメリカ系とイギリス系に分かれました。
そして、1940年にイギリスとカナダのケネルクラブで別犬種として登録され、アメリカン・コッカー・スパニエルとして正式に誕生しました。
ちなみに、ただの「コッカー・スパニエル」と呼ぶとき、アメリカではアメリカン・コッカー・スパニエルを指し、ヨーロッパではイングリッシュ・コッカー・スパニエルを指すそうです。